2018.10.25ほぼタダ着火剤で炭おこし

f:id:takibi-tabi:20181105085130j:plain

恐らくは元オイルサーディンの缶詰

焚火や炭おこしの際に最初に火を点ける火の付きやすい物を炊き付けと言います。でも、いつでも都合よく乾燥した落ち葉や枯草が手に入るとは限らないのです。そこで私の場合少量の紙を用意して使っていたのですが、紙と言うのが厄介で、自らが燃えた熱で温めた空気にのってふわふわと飛んで行ってしまうのです。火のついた紙が空を舞う姿は幻想的でもあるのですが、山火事の原因になりそうで大変に怖いとも感じていました。

ある時、キャンプで揚げ物をしたいという要望が有り、使用済み油の処理を先輩諸氏がどのようにしているのか検索してみた所、処理方法の一つに「キャンドルにする」という物を見付けました。固めればキャンドル。固めずに芯を入れたら行燈(あんどん)の明かり。芯を少しづつ太くしたら、望む火力の出せるコンロの様な物にならないだろうか?と閃き、実験をしてみる事にしました。

結果、空き缶とダンボールとサラダ油の試作品は、コンロとしては難有りでした。ススがひどくて屋外でも気が引けるほどだったのです。しかしススまみれになってしまった料理用油を再度料理に使う事も出来ず、燃やし切るしかありません。丁度、目の前の焚火台の火が何度も消えかけて安定しない状態だったので、薪の下に火のついたまま試作コンロ潜り込ませてみました。するとどうでしょう。じわじわと近くの薪に火が移り、その薪の熱で温まった油が火力を増し、見事に火を安定させたではありませんか。

こうして、食用油コンロ試作機は、目出度く「ほぼタダ着火剤」として定番キャンプ道具になったのでした。

時は流れ、新しいキャンプスタイルに手を出しました。ピザオーブンです。しかし今までの焚火調理スタイルでは温度管理に大変苦労するという事態が発生しました。そこで炭だったら薪よりは火力を安定させやすいのではないか?という事になったのです。「十能」という炭おこし機具を持ってはいるのですが、これでは長年勤めてくれた「ほぼタダ着火剤」に申し訳がない。その上「十能」は、我が家ではお茶道具なのです。それなら「ほぼタダ着火剤」に炭おこしをやってもらおうではないか?という事になり、実験の機会を待って居るのです。

★★2018.11.03(追記)実験結果★★

f:id:takibi-tabi:20181105064914j:plain

点火後 放置するだけで


結果発表!大成功!

代用品と言うより、主役です。これは、着火性能★★★・コストパフォーマンス・収納性・重量どれをとってもピカイチです。

敢えて言うなら見た目が可愛くない。メタ燃料の様な単独での調理には向いて居ない。油が残って居るうちに料理に取り掛かるとススが調理器具に付く。とはいっても、使用用途を着火に限定しているので、いずれも全く問題ない。

試してみたい方へ

ポイント1

缶は浅い物を選んでください。切り炭より深いと当然炭に火が着きません。

ポイント2

芯はダンボールでなくても構いませんが、段ボールの場合切り口の穴が缶の口(上方向)に向いていると良さそうです。

ポイント3

炭は缶の周りに立てて並べ、2段か3段に、上に行くほど内側に積む様にすると火が付きやすくなります。着火後は調整しずらいので最初に少しだけ頑張りましょう。

ポイント4

油を完全に吸った芯は、着火に少し時間が掛かり、ライターが熱くなります。乾いた紙に着火して、芯に乗せてやる事で、簡単に火傷を防げます。