2018.11.14失敗をしに行こう!

「失敗をしに行こう!」こういうと、命がけの野営を必要とする人にお叱りを受けるかも知れません。「あらゆる状況で、リカバリーが可能なように」と付ければお怒りは静まるでしょうか?キャンプの意味が本当に多岐に渡り、生き残り(サバイバル)から、ベランダBBQまでかそれ以上になって「キャンプにいこう」と誘われると、軽くテンパる時代です。が、私のキャンプは、あくまでレジャー。無くても困らないが、あれば楽しいものなのです。

無くても困らないのですから、失敗したってイイんです。そりゃあ、浮かれて火のついた薪を振り回して、他人を火傷させたら盛大に反省して、誠心誠意謝って下さい。でも、設営時にテントを破いた。焚火で服が焦げた。アルパインストーブにダッチオーブン載せてひっくり返した。なんていうのは、テントの治し方を覚えるきっかけだし。服の素材について造詣を深めるチャンスだし。ダッチオーブンが乗せられる台を探そうと楽しい買い物リストが増えるだけなのです。

忘れがちですが、キャンプの要素として不便を楽しむと言うのがあります。まずからして、毎回屋根と壁を建てなければならない。通常ありえない不便なんです。不便とは、過剰な労力を必要とし、したくない我慢をし、経験しなくても良い危険や失敗をするという事なのです。ですから。むしろキャンプに行ったら、「キャンプいったんだって? 今回はどんな失敗したの?」と、聞かれても良いくらいな物なのです。

とはいえ、キャンプは失敗を放置して失敗に埋もれるためにするものか?と問われれば、NOと答えます。「さあトラブルだ!君ならどうする!」という感じでしょうか。そう!脱出ゲームです!わざわざ閉じ込められに行くのだけれど、最後には必ず脱出できるアレです。ですからキャンプの失敗もリカバリしなければ完結出来ません

助けを求めて構いません。むしろ積極的に助けを求めて下さい。隣のキャンパーさんでも、なんたら知恵袋でも、ツイッターでも、お婆ちゃんに電話してもイイと思います。少し余裕が出来たなら、書籍を漁ったり、web検索してみるのもイイです。調べものをする場合、自分の知りたい事が何なのかという事をしっかり考え直す必要が有る所が素晴らしくイイ。「テントのあれ、ロープの先っちょ地面にさす奴」今時なら検索エンジンが賢くて、これでも出て来るかもしれません。(やってみました。出ました。)

出ちゃったので、例としては不適切ですがニュアンスっつうことで進めます。”ペグ”とか”杭”とか、検索に引っかかり易そうなキーワードを選ぶ必要があるかも知れません。検索した記事には、自分の求めた以上の記述が有るかも知れません。気になるキーワードも増えるでしょう。雑学が増えます

記憶というのは、実に厄介で興味深いものです。雑学を得た経緯と無関係な時にふっと浮かぶことが有ります。施設消防の講義を消防署で受けたという話を聞いた事がありました。確かに興味深い話でしたが、仕事上の会話です。これが、キャンプ場で焚火に向かった際にふと頭を過ぎったのです。この、知識の全く違う事への発展と言うのが、いわゆる気づきで、実際にやってみた応用は智恵になります。このプロセスは大変に心地よいのです。アドレナリンどぱぁーっです

「失敗は糧である」などと言うと、「鍋をひっくり返したら、今夜の糧は土の上よ」と反論されそうですが、糧が何時どのような形で来るのかは確定できません。「来るかどうかも分からない糧?」そう切り替えされるでしょう。でもそんな時は「見えるかどうかも分からない流れ星を探して夜空を見上げる位、べつにイイでしょ」と、ロマンチック方面に反論の意欲を削いでやるのです。先程溢した今夜の糧の代わりをどうにかしながら。

そうやって次に迎え撃つ失敗を、キャンプギアを磨きながら待って居ると、失敗した瞬間のやり処のない怒りも、失望感も、全部忘れて、キャンプには楽しい事しか無い」と思えるのです

さあ、「今季のキャンプはおしまい」と言っていた、失敗フリークが、お尻をもぞもぞさせて ”デイキャンプ”・”BBQ場”と検索を始めますよ。